前作(邦題 バトルステーションズ:ミッドウェイ 日本語版)は,何度か発売元が変わるうちにリリースが遅れ,2007年1月に欧米でリリースされたときには,すでにフレッシュさを失っていた不幸な作品といえる。それでも,よくある「フライトコンバット」とは異なり,戦闘機ばかりでなく軍艦や潜水艦などをワンクリックで自在に変更し,操作できる手軽さと壮大さを評価したゲーマーは,決して少なくはなかった。 そのファン達はやがてオンラインコミュニティを形成し,このゲームをより面白くするために,ゲームプレイや設定に関する改善を要求,ドラゴンクエスト10 RMT。それに耳を傾けたEidos Interactiveが,前作の発売後かなり早くから開発に着手していたのが,会場の専用ブースでプレイアブルな形で展示されていたである。 Battlestations Pacificでは,前作同様ミッドウェイ海戦から沖縄上陸作戦までを追う米軍キャンペーンが用意されているほか,新たに真珠湾攻撃から始まる“日本軍キャンペーン”も追加されているのだ。前作では,キャンペーンモードは米軍の視点から書かれたものだけで,日本軍は単体のシナリオでしかプレイできなかったので,これだけでも続編としては大きな進展となる。しかも,プレイヤーの腕次第では,太平洋戦争の結果すらも変えられるようになるとのことだ。 「日本軍が,ミッドウェイなどの局地戦で勝利していたら,いったいどのような展開になっていただろうか」という命題は,開発しているEidosのハンガリー支部の開発者達にも興味のあるところだったらしく,アジア史の教授をアドバイザーに迎えるなどしてキャンペーンを構築していったという。その内容は発売されるまでのお楽しみ,ということになりそうだが,日本人としても黙って見過ごしてはいられないゲームといえそうだ。 今回のデモで行われていたのは,パプアニューギニアの首都,ポートモレスビーの攻略作戦。巡洋艦と共に展開していた零戦を使い,連合軍のハンガー3か所を破壊するというもので,敵の砲火を浴びながらも爆撃を続ける爽快感は前作どおり。今回は陸軍も登場し,基地の内部を右往左往していたところを見せてもらったが,実際に兵士ユニットを師団レベルでコマンドできるようにもなっているという。これに関してデモを担当していた開発者は多くを語ってくれなかったものの,米軍の場合には水陸両用船から歩兵を上陸させたり,落下傘部隊で日本軍の裏をかいたりといった行動がとれるようになるらしい。 Battlestations Pacificでは,前作で登場した60種に及ぶユニットに加えて,ドラクエ10 RMT,日本軍の搭乗型特攻兵器「櫻花」を含む21種類が追加されるなど,全体的にボリュームアップ。マルチプレイモードでは,マップがスケーラブルになっており,参加プレイヤー人数によってマップの大きさも変化するという機能が考慮されている。まだ具体的な発売日は正式に発表されていないが,今年中の完成は十分にあり得るのではないだろうか。
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