。むしろ,「マスに訴えるための武器としての映像美」であって。 橋本氏: 映画で言えば,IXA RMT,2009年末に公開された「アバター」がもの凄く大ヒットしましたが,もし,あの世界を疑似体験できる,そのまま歩けるよって言われたら,やっぱり「楽しそう!」って純粋に思う人は多いはずなんです。疑似体験という話なら,プレイヤーはただ森を歩いているだけなんだけど,そこに池や川のほとりがあって,蝶々が飛んでいて,水面がキラキラしていて。魚が泳いでいて,鳥のさえずりが聞こえて……っていうだけでもいいと思う。……別に環境ソフトを作りたいと言ってるわけじゃないですよ(笑)。 : いや,おっしゃりたいことはよく分かります。 橋本氏: つまり,ゲームの技術レベルが上がっていくと,ゲームというものの捉え方自体の幅が広がるんじゃないかってことなんです。それによって,ゲームの内容,ひいてはマーケットを広げられる可能性がある。例えば,リネージュ2 RMT,本当に素晴らしい体験を得られるなら,「旅行ソフト」みたいなものだって,僕は全然ありだと思うんですよ。実際に現地までピラミッドやヴェニスの街並みを見に行くのは大変だけど,手頃な値段でそれを疑似体験することができるなら,多くの人にとってそれは,きっと面白いものになるじゃないですか。 : そもそも,初期の映画だって,そういう「普段は見ることができない珍しいものを見る」娯楽からスタートしていましたね。 橋本氏: 新しい体験をしたい,というニーズは常にあるんです。だから僕は,今はちょっとゲーム業界全体がカジュアルな方向に寄っちゃっているかもしれないけど,グラフィックスを含めたゲームのテクノロジーがある一定の水準に達したときには,そこでまた“揺り戻し”が起きると思っていて。 : そもそもファイナルファンタジー自体が,スーパーファミコンやPlayStationなど,ハードウェアが進化していくなかで,綺麗なグラフィックスに注力していったのは,スクウェア?エニックスが「ゲームのメジャー化」を志していたからだと思うんですよね。 橋本氏: そうなんですよね。 : それこそ昔は,綺麗なグラフィックスなんてものはライトゲーマー向けで,逆にパズルっぽいものだとか,ゲームのルールがカッチリしたものこそが「本当のゲームだ!」なんて議論もありましたし(笑) 橋本氏: ああ,ありましたね(笑)。絵なんか関係ない! みたいな。 : ……だけど,ここ数年そこが逆転していて,綺麗な映像=コア向けみたいな流れになっている
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